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    ‘企業法務’ カテゴリー

    名探偵コナンが探偵業を事業目的として起業できるか?


    だいぶ暖かくなり、初夏の日差しが感じられるようになりましたね。

    さて、先日、名探偵コナンのアニメを見ていて、ふと気になりました。
    「コナン君は、たくさんの事件を解決してるなあ」
    (毛利のおっちゃんが解決していることになっているのは置いといて・・・)
    コナン君は、探偵業を事業として起業できるだろうか。 色々、考えてみました。
     
    コナン君の本当の姿は、高校生探偵の工藤新一でしたね。
    同級生の毛利蘭と遊びに行っているときに、黒ずくめの怪しげな男に薬を飲まされて、
    体が小さくなってしまい、工藤新一であることがバレたら命を狙われるので、
    「江戸川コナン」と名乗っているというあらすじだったですかね。

     

    コナン君が株式会社を設立するには、最初に定款を作成して出資することが必要です。
    コナン君が自分で出資して、発起人となることについては、
    発起人は権利能力があればなれるので、未成年者でも可能です。

     
    次に、取締役や代表取締役になれるかという問題です。
    会社法331条の取締役の欠格事由に、未成年者は入っていません。

     

    「江戸川コナンでも、戸籍上は高校生の工藤新一である」
    と考えれば、高校生は未成年者ですから、
    民法第5条の法定代理人の同意を得る必要があり、
    親権者の同意があれば可能になるかと思います。

     

    海外に住む工藤優作(父)と工藤有紀子(母)に
    株式会社設立登記に添付する書類として「法定代理人の同意書」に
    「工藤新一が取締役・代表取締役に就任することに同意する」
    として記名又は署名捺印してもらう必要があります。

     

    さらに、工藤新一は17歳で、15歳以上ですから、
    市役所で印鑑登録が可能であり、
    株式会社設立登記や定款認証に必要な印鑑証明書の発行も可能です。

     

    ただし、作品中現在の「江戸川コナン」の見た目は小学生です。
    一時的に薬の効果が切れて、工藤新一に戻ったとしても、
    「江戸川コナン」の姿のままでは小学生なのです。

     

    小学校低学年の場合、取締役として業務を行うに際し、
    判断能力がないとも考えられます。
    ただし、小学生でも年齢によって、判断能力があるといえる場合もあるでしょう。

     

    江戸川コナン君(見た目(現状))は7歳です。
    個人的には、江戸川コナン君の姿のままでは、
    年齢から判断すると取締役・代表取締役になることは難しいと思います。

     

    さて、江戸川コナンが工藤新一に戻って代表取締役になり、
    会社が設立出来た場合、会社の履歴事項全部証明書に代表取締役として、
    自宅の住所が記載されます。

    ……

    …………

     

    黒ずくめの怪しい男に住所バレてしまう結果に・・・・・
    ああ・・・合掌

     

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    株券って発行しないといけないの?


    久しぶりのブログです。


    そろそろ桜が咲き始めてきましたね。


    昨今の気象の変化にもめげずに、毎年必ず満開の花をつける桜を見ると
    「あんたもしんどいのにえらいなあ。ようがんばりはるなあ。」
    とか言ってしまいそうになります。


    「無理せんでええよ」
    とか言い続けて、咲かなくなったらイヤですけど。


    さて、今日は、株券の発行などについてです。
    「先生、うちの会社の謄本取ったら、株券を発行するって書いてあるけど発行せんでええの?」


    などのご質問をいただくことがあります。
    会社謄本に「株券を発行する旨の定め」として
    「当会社の株式については、株券を発行する」と書かれてある事があります。


    会社法になる前の商法時代には、
    株式会社は株券発行会社が原則であり、
    株券不発行の場合に不発行である事が登記事項でした。

    会社法になってからは、株券不発行が原則で、
    株券発行会社であることが登記事項になり、
    平成18年5月の会社法施行によって、
    株券不発行の登記がされていない株式会社は、会社法整備法により登記官の職権で
    「当会社の株式については、株券を発行する」
    と登記されるようになりました。


    登記官の職権とは、「株券を発行する」
    という登記を自ら法務局にお願いしなくても、
    法律に基づき登記官という役人が職務として登記をするという意味です。

    ですから、自分の会社が実際に株券を発行しているかどうかに関わらず、
    平成18年5月の会社法施行前に株券不発行の登記をしていなければ、
    自動的にこの登記がされていることになります。



    「株券を発行するって書いてあるけど発行せんでええの?」 の質問ですが、
    原則的には、株式を発行した日以降遅滞なく株券を発行しなければなりません。

    ただし、会社の定款や会社謄本に
    「株式の譲渡制限に関する規定」がある会社様の場合は、
    株主からの請求がなければ、株券を発行しなくてもよいとされています。


    また、株主から株券不所持の申出があった場合も株券を発行する必要はありません。


    ただし、会社謄本に「株券を発行する旨の定め」のある会社様で、
    株主から株券発行の請求がなく株券を発行していなかった場合でも、
    株式の譲渡をする場合は、株式譲渡契約以外に、
    実際に株券を発行して交付する事が必要となりますのでご注意ください。

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